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札幌医科大学 / 小海康夫 教授(医学博士)

札幌医科大学医学部教育研究機器センター 分子機能解析部門
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予防医学への潮流


 メタボリック症候群への保健指導が話題となっている特定健康診断が平成20 年度から始まり、病気の治療とともに予防に関心が集まる。小海教授は、予防医学の重要性を医師としての経験から実感しているという。「病気は簡単に治らない。病気になりにくい身体、病気になりにくい生活習慣をつくるために科学的なアプローチが今後ますます必要になってきます」。また、これまで人類が経験したことのない高齢化社会を迎え、医学的な知見が確立されていない疾病への対応が求められる。教授が取り組むアルツハイマー病を中心とした認知症もそのひとつだ。




診断法の重要性く


 現在、認知症の患者は全国に150 万人ほどだが、2015 年には250 万人を越えると予想されている。重要な疾患であるにも関わらず、専門医の数は限られ、正確な診断やそれに基づく適切な治療が行われていない。アルツハイマー病の治療・予防に向けて、病気になっているのか否かを素早く簡単に測ることのできるバイオマーカー(尿や血清中に含まれる生体由来の物質で、生体内の生物学的変化を定量的に把握するための指標)を小海教授は探索している。「まずは、各診療科の医師が、専門医に相談する必要があるのかを簡単に判断できるようにしたい」。




先進的な臨床研究のフィールド


 バイオマーカーの候補となるタンパク質は、膨大な量に上る。知的クラスター創成事業により、それらをひとつひとつ検証してくための装置として新型質量分析器の導入が実現するとともに、人材の確保を伴う研究室の体制が整ったことが研究推進の追い風となっている。また、砂川市立病院や札幌のときわ病院と共同研究体制を構築し、アルツハイマー患者の血液サンプルを用いたバイオマーカーの機能検証を開始した。

 「さらに、患者のサンプルを調べると同時に、病気になっていない人を一定期間追跡調査して、認知能やバイオマーカーの変化を調べることが予防医学の参考にするためには必要です」。こうした臨床研究のために、留萌市立病院を中核に、市民に協力を得た臨床研究フィールドの体制作りにも小海教授は奔走している。将来的には、留萌市のモデルを、他の疾患にも対応した市民と一丸となった地域振興のためのビジネスに成長させたいと願う。予防医学のための包括的な研究フィールドの整備が始まった。




研究テーマ


「認知機能改善研究」 / 認知症モデル動物によるバイオマーカー探索と予防作用機能性食品開発
培養神経細胞、認知症モデル動物を用いるアプローチにて、アルツハイマー病などの認知症のバイオマーカーを発見し、それを基に疾患の進行を遅延・阻止する機能性食品成分を探索する。





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