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北海道大学 / 西村孝司 教授(薬学博士)

北海道大学遺伝子病制御研究所 免疫制御分野 
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北海道の強み


 日本の食料自給率( カロリーベース) が40%を下回り、大都市部では東京1%、大阪2%という状況だ。そうした中で、200%超を誇る北海道は食料生産地として今後ますます重要な位置を占めることが予想される。過疎化や財政悪化など諸問題を抱える北海道において、最大の強みである一次農産物に着目し、地域活性へとつなげる知的クラスター創成事業の果たす役割は大きい。



免疫バランス研究と食く


 「花粉症患者や食物アレルギー罹患者の急速な増加は、ヒトの体内環境に異変が起こっているからだ」。免疫学者として現在の状況に危機感を持つ西村教授は、体内環境の変化を「免疫バランス」の観点から研究している。ガンや感染症に対する抵抗力やアレルギー反応をコントロールする免疫というしくみは、ガン細胞や感染細胞を攻撃するキラー細胞を活性化するTh1 というヘルパーT 細胞と、ガンや感染免疫抑制効果やアレルギー反応を促進するTh2 がバランスを保って働いている。

 しかし、化学物質や抗生物質の摂取、ストレスや食習慣の変化など、生活環境の影響を受けて、現代人の多くは感染抵抗力(Th1 の効果) が弱くアレルギー体質(Th2の効果) に偏っている。免疫制御研究で世界をリードする教授の研究室では、科学的な根拠に基づいたライフスタイルの改善のために、食素材中の免疫制御成分の探索と機能解析を精力的に進めている。道産子だから、北海道を良くしたいという気持ちを自然と持っているという西村教授は、本事業では道産食素材を対象とした研究を推進する。初年度、既に数種の成分探索が完了している。




研究成果を活かす


 道産の食素材へ免疫制御機能という付加価値を与え、そうした素材を加工することでさらなる価値を付けて北海道から全国に向けて流通させる。今回のクラスター事業は、特許をはじめとした知財、学会発表数だけが蓄積されても目的達成には至らない。研究成果を北海道の活性化へつなげるという出口を見据えて、生産者、研究者、行政が一丸となって取り組むことが必須である。「想いを持った人の気持ちを、想いを持った人が受け取り、輪ができていく。そこに新しい何かが生まれると信じている。このプロジェクトには北海道を変える可能性が秘められている」。西村教授は本事業への期待を込めていう。








研究テーマ




「免疫・アレルギー改善研究」 / 免疫バランス制御評価による機能性素材の開発
高精度・高効率の免疫バランス測定系を構築し、食素材中の免疫制御成分を探索、免疫バランス制御食品や医薬品の開発研究に結びつける


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