21世紀の難題解決の鍵となるユーグレナ
株式会社ユーグレナ
世界初!ユーグレナを商品化
植物のように光合成を行うと同時に、動物のように動き回る微生物「ユーグレナ」。
ユーグレナは、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく豊富に含む生物であるため、かねてから健康食品や宇宙食、飼料としての応用が期待されていた。しかし、光、温度、攪拌速度などの培養条件が他の微生物に比べると難しいため、大量培養ができず実用化には至っていなかった。
同社は2005年8月の設立より、大阪府立大学、東京大学との共同研究を重ね、培養条件の検討と大量培養技術の確立のための研究を続けてきた。その結果、2005年12月、誰も成し遂げられなかったユーグレナの大量培養についに成功。翌年4月には、世界で初めてユーグレナを商品化し、サプリメントとして販売を開始することができたのである。
新たな事業で未来を切り開く
ユーグレナは食品として利用できるだけではない。サプリメントの販売事業を軌道に乗せ始めた同社が今後展開しようとしているのが、ユーグレナを用いたCO2固定事業だ。
ユーグレナは、熱帯常緑樹林の約10倍という高いCO2固定化能力を持っている。その能力は、東京ドーム一杯分のユーグレナで、火力発電所20カ所が一年間に排出するCO2に相当する3140万tを全て固定することができるほどだ。地球温暖化の問題が深刻化し、その主な原因であるCO2排出量の削減が必要とされているのは周知の通り。それに伴いCO2排出権取引も行われ始めた。同社は、工場などから排出されるCO2を、ユーグレナを用いて固定する事で排出量の削減を目指す。
CO2固定事業は地球温暖化の防止に貢献するにとどまらない。3140万tのCO2が固定されると、約3850万tのユーグレナを回収する事ができる。実は、ユーグレナは体内に重油状物質を含んでいる。それを回収したユーグレナから抽出するとエネルギー資源として、また種々の有機合成の材料として利用する事ができる。もちろん、重油状物質を抽出した残りは食糧、飼料として利用することが可能だ。
つまりユーグレナをCO2固定に用いる事は、エネルギー問題と食糧問題をも根本的に解決する循環系の構築につながるのである。
求められるのはチャレンジ精神
CO2固定のためや、エネルギー資源としてのユーグレナの応用研究はまだ始まったばかり。これを実現させるためには、バイオを中心に石油工学、有機化学など、様々な分野を横断した研究と、それを担う人材が必要だ。
「自ら考え、技術を作り出せる人が集まって会社が大きくなっていく。その結果、地球温暖化や食糧問題が解決されればこんなにうれしいことはない」。同社代表取締役の出雲充氏は目を輝かせて語る。
「過去に誰もやったことがない、だからこそ挑戦したい」というチャレンジ精神。「本質的に社会に貢献したい」という高い志。こういった想いを持つ研究者を、同社は、今、求めている。

