
2009年4月6日。桜の咲く季節の訪れとともに、中央線と京浜東北線の車内モニター「トレインチャンネル」上で、映像コンテンツ「知ってるぅ↑?サイエンス」の配信が始まった。身近な科学の話題を乗客に届けるこの映像の企画を作っているのが、株式会社リバネスのプロモーション事業部だ。最先端科学をわかりやすく伝える、というリバネスの強みを活かした新しい取り組みが、今始まった。
24歳、事業部長の挑戦
「スポーツ選手並みに研究者に対する世間の認識を高めたい」。24歳にしてプロモーション事業部の部長を務める柳沢さんは、映像にかける想いをこう話してくれた。
同社では「科学技術の発展と地球貢献を実現する」という理念のもと、あらゆる事業を展開している。子どもたちに向けた最先端科学の実験教室の開催や教材制作、研究成果や研究者のキャリアを紹介する冊子制作などを通じて、最先端科学を生み出している企業や大学と、今までに接点のなかったところをつなぐ。最先端科学をキーワードに新たなビジネスを生み出す事業モデルに、柳沢さんは他にはない面白さを感じた。
同社のスタッフは全員理系出身者であり、代表、役員をはじめ、28名のスタッフのうち8名が博士号取得者である。自身も科学が好きで研究経験があり、その面白さや成果の重要性を理解できるからこそ、研究者と対等に話し、深くその内容を理解した上で、エッセンスを抜き出すことができる。「最先端科学と一般市民の間にある壁をなくしたい」、と難しい研究内容を相手の視点に立って伝えるノウハウを技術として身につけてきた「コミュニケーションのプロ」でもある。そんな同社で、柳沢さんは2年前に唯一学部卒として採用された。専門性の高い人材に囲まれて、柳沢さんは2年間がむしゃらに走ってきた。「入社当時は、ここにいれば成長できると思っていました。今は、成長するためには自分から動くしかないと感じています」。
映像で伝える魅力
「知ってるぅ←? サイエンス」(制作・著作:株式会社フラッグ、企画・協力:株式会社リバネス)では「桜が一斉に咲く不思議」や「親不知(おやしらず)の可能性」など、身近な科学の情報をコンパクトに紹介する。映像をきっかけに興味を持った視聴者が、より詳しく知識を得られるようにブログや社内の他のコンテンツも充実させている。科学への興味に目覚める「きっかけづくり」に注力してきた同社が、既存のコンテンツに映像を加えることで、コミュニケーションツールの幅をまた1つ広げたのだ。プロモーション事業部では他にも中高生に向けた理系の大学紹介や、研究者の紹介レポートを掲載したサイト「ゆるりぃ」も配信している。携帯からも閲覧可能で、最新科学ニュースから、大学の学食紹介まで理系進学を目指す中高生たちが気軽にアクセスし、書き込みもできる内容となっている。「誰でも、簡単に、敷居を低く」最先端科学の情報に触れることができるコンテンツを作っているのが同事業部なのだ。
フロンティアを走り続ける
教育業界への参入から始まり、常に最先端科学という専門性を活かした新しいビジネスを広げてきたリバネス。「次のビジネス展開はリバネスが『科学のコンテンツライブラリー』になること」だと、柳沢さんは語る。冊子、we b制作、そしてこの春開始した映像など、専門的な裏付けの取れている自社制作の様々な情報のリソースを、他の企業や研究機関の持つメディアにコンテンツとして提供する。一貫して行ってきた最先端科学と他の分野との融合を促進する橋渡し役としての力を発揮し、最先端科学の情報を急速なスピードで全国へ、やがては全世界へと広めていく、そんな青写真を描いているのだ。「これからはいろんなところでリバネスの名前を聞くようになる」。様々なニーズに合わせた媒体の組み合わせ方や新たなコンテンツを使ったプロモーションの仕方を打ち立てることができる強みを活かして、自社のビジネスモデルを変える。「世界中の最先端科学の情報を集約し、伝播させる起爆剤になりたい」。
目指すのは、2011年の地上デジタル放送開始に伴うリバネスチャンネルの設立だ。子どもへの教養番組から科学をエンターテイメントとして展開するショーやコメディーまで、最先端科学の魅力が詰まったチャンネルになるはずだ。その肩に大きな責任と期待を背負った24歳は、この春、科学ビジネスのパイオニアとして壮大な計画の第一歩を新たに踏み出した。

