「自分が選んだ道、ドクターコース進学に悔いなし」
Category: 研究:大学・研究機関 | Update: 07/03 | Posted by: career「ドクターコースに入ってから、自分で研究しているという実感が持てるようになりました。毎日がどんどん楽しくなっています。進学して良かった」。弾ける笑顔の神谷さんには、今、自信が宿り始めている。
分野を変えた挑戦ができる場所
学部3年生の時、研究室で初めて行ったPCRの実験を神谷さんは今でも鮮明に覚えているという。振り返ってみれば、「試薬を混ぜて機械にセットした」だけのことだったが、きれいな増幅断片を眼にした時は、飛び上りそうになるほどうれしかった。そこから研究職として将来もずっと研究に携わっていきたいという思いが神谷さんの中で強くなり、大学院進学を真剣に考え始めた。研究室の先輩に相談したところ、勧められたのが奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)だ。当時在籍していた近畿大学農学部と至近距離にあるにも関わらず、神谷さんがその名を耳にしたのはこの時が最初だった。「早速調べてみたところ、いろいろな大学から学生が集まり、それまでの研究分野と異なる分野を希望しても受け入れてくれることがとても魅力的に感じました」。近畿大学での研究室の配属が決まり、研究を実際に行っていくにつれて、神谷さんは自分の興味がより分子生物学に向かっていることに気付いた。「しかし農学部の授業では分子生物学をほとんどやっていなかったので、大学院で分野を変えようと思っても専門科目の入試が通らないのではないか」。不安を抱えていた神谷さんにとって、科学英語と面接が中心のNAISTの入試は挑戦への後押しとなった。「NAIST以外は難しいのではないかと思っていました。それに、細分化された研究分野において自分が何をやりたいかを絞り込めていなかったので他の大学院は決められないと思いましたね」。
諦めないからこそ、チャンスは巡り来る
学部での研究内容や、NAISTに入ってどんなことがやりたいのかを問われた入学試験面接。その結果は不合格だった。「学部の時は研究テーマを教授からもらって、よく考えることもなく、言われたままにやっていたんです。だから、面接できちんと論理立てて研究の意味を話すことができなかったんです」。不合格の知らせを受けて、神谷さんは深く落ち込み、他の大学院受験も考えた。だが、他と比較したことで「NAISTが良い」という思いはますます強くなった。そして、10月に2回目の入試を受ける。けれども、うまく質問に答えることができず、面接官の教授から「ここに来てもしんどいよ」と言われてしまう。「1回目だったら、何も言えなかったと思いますが、この時は間髪を入れずに『大丈夫です。専門分野は違うけれど、中に入ってから吸収していくから大丈夫です』という言葉が出てきました。NAISTに行きたいという気持ちだけは伝えることができました」。半ば諦めかけていたところに届いた合格通知に驚いた。
自立して研究を進める力を養う
博士課程入学後も決して順調だとはいえない。博士号取得を目標とした5年一貫コースに進むことを入試合格の時から悩み続け、進学後の5月に決断するも選抜に漏れた。「もちろん落ち込みます。けれども、どこがダメだったのか、原因を探り、次はそれを直そうというところまで考えたら後はもうあまりくよくよ考えないです。打たれ強い性格なのだと思います」。理由と対策を自分の中で明確にしたら、気持ちを切り替えて動き出せると神谷さんは自己分析する。神谷さんは、現在、ノックアウトマウスや培養細胞を用いて副甲状腺の発生について研究を進めている。「修士のころは、実験がうまくいかなくても先生とディスカッションする能力さえありませんでした。『これはうまくいかない』と思っていても、なぜそう思うのかをうまく伝えられず周囲の人たちに単に『頑張れ』と言われてしまうこともありました」。神谷さんの指導を担当する片岡准教授は、何でも相談に乗ってくれる。配属直後はそこに甘えて、自分で考えることなく片岡准教授をはじめ周囲の人に聞いていた。結果が出ず、テーマが2転3転する中で、神谷さんに変化が表れた。「このままでは、研究者として未熟なままだと思い、自分で考えて、結果を解釈して、次はどうしようというところまで考えてからディスカッションをするように努力しました」。これを繰り返すことで、自分で研究計画を組み立てられるようになり、結果も出てきた。研究者として歩み始めるために必要な時間と環境は、ひとりひとり異なる。「未熟で稚拙な考えでも根気強く片岡先生が相手にしてくれて、育ててもらえたことが本当に良かった。ドクターコースに進んだことに後悔はないです」。博士論文も進路も、不安要素はたくさんあるが、全ては自分の選んだこと。「うまくいかないことがあっても、よしやってやろうと思うタイプです。原因を考え、解決策を立て、試してみる。理系らしいですよね」。これまでも紆余曲折しながら、結局は自分の思う道を歩んできた。この先もすんなりとはいかないかもしれない。けれども、自分の選択に覚悟を持って、神谷さんは進み続ける。これまでも、これからも、選択肢の幅を広げる努力を続け、その中から最適な選択は自分で見つけたいと願う。
奈良先端科学技術大学院大学
バイオサイエンス研究科では学生を募集しています。
平成20年度入試日程(7月以降出願可能回)
- 博士前期課程(定員・114名)
- <第3回>
出願期間:平成21年2月10日(火)〜平成21年2月13日(金)
選抜期日:平成21年3月3日(火)
博士後期課程(定員・34名)- <平成20年春学期第2回 >
出願期間:平成21年2月4日(水)〜平成21年2月6日(金)
選抜期日:平成21年2月26日(木)〜平成21年2月27日(金)
学生募集説明会- 平成21年1月(詳細は未定)東京、大阪
いつでも見学会- バイオサイエンス研究科では、研究室等の見学希望者をいつでも受け入れています。
見学を希望される方は、メールアドレス bs-visit08@bs.naist.jp まで、ご連絡ください。 - 詳細は、http://www.naist.jp/admission/d00_j.html
奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科は、文部科学省グローバルCOEプログラムのサポートを受け、先端的な生命科学研究を推進する中で、国際社会で活躍する人材を育成しています。
- 氏名
- 神谷 明代さん
- プロフィール
- 奈良先端科学技術大学院大学 博士後期課程3年





