臨床検査技師の資格を取って短大を卒業後、2つの民間の研究機関でテクニシャンとして10年間働いた。その後、子育てのために退職し、約20年間のブランクを経て仕事を再開。そこで感じた壁を乗り越えるために参加した「学び直しのためのバイオキャリア講座」には、学生時代に感じていた研究の楽しさを思い出す時間と、自分の未来を考える数々の気づきがあった。
仕事を再開して感じた悔しさ
子育てのために退職した神谷さんが仕事を再開したのは平成17年の9月。子どもが手を離れてきたのを機に、公立のこども病院で事務補助の仕事を始めた。2年後には遺伝病の遺伝子検査の手伝いやCRC(治験コーディネーター)の補助など、専門的な仕事も任されるようになった。しかしながら、実際にやってみると技術的なスキル不足もあり、任期満了という名目で退職する形になってしまった。その後派遣社員として実験補助の仕事をしたが、同様の理由から長くは続けることができなかった。
基礎から学ぶことで見えた、研究の魅力
「もっと分子生物学の実験技術や知識を身につけたい」。そんな想いを持っていたときに東京薬科大学の学び直し講座の存在を知り、勇気をもって応募した。講座修了後にはこれまで携わっていた医学に関係した仕事をしたい。そんな理由から、分子生化学の研究室でトランスフェクションや形質転換、電気泳動法など、分子生物学の基礎的な手法を3か月かけてみっちりと学んだ。そして現在では、藻類を用いてグルコース分解酵素の発現に関与するタンパク質の発現解析というテーマに、自ら実験計画を立てる形で取り組んでいる。「自分で主体的に実験を組み立てるようになって、生物の研究の奥深さを改めて知りました。これもきっと基礎をしっかりと学び直せたからだと思います。今はとにかく、自分の手でデータを出したいです」。初めて研究の魅力を知った大学生のように無邪気な笑顔で語る神谷さん。現在も週1回東京薬科大学に通い、充実した日々を送っている。
学び直しの先にあるキャリアを目指して
学び直し講座では、研究活動を体験できる「ラボ実習」のほか、座学形式で学ぶ「生命科学基礎講座」や「業界理解向上講座」、「実務スキル習得講座」などの講座も用意されている。「授業で紹介された薬物について、病院での仕事にリンクする気づきがたくさんありました。だから今は、これまでのすべての経験を活かせる臨床研究コーディネーターになりたいと思っています」。仕事と学び直しの連続は、ゆっくりと着実に彼女の未来を創り出している。

